新しく学んだこと(その5)

職人の世界は「宵越しの金は持たない」という
気風のいいセリフで有名だ


職人と言っても 醤油・味噌造り・染物屋・仕立て屋など
数限りなくある


その中でも花形は大工であったらしい
江戸は火災が多く仕事に困ることはなかった


屋根ふき・左官・鳶(とび)など多くの職人を束ねて
采配を振るうのが大工の棟梁である
読み書き算盤も達者にこなせなくてはならないため
頼りにされていた


その他 江戸の社会はリサイクル社会だった
庶民の着物はほとんど古着を買うのが普通だったし
痛んでくれば子供の着物に縫い直し
その次は赤ちゃんのおしめになりそして雑巾になる


それも使えなくなれば竈の焚き付けに使われ
その灰も染物屋に売って染料になる
ということで捨てるものがないのである


使い終わった紙も集めて古紙として漉き直す
糞尿や台所の屑なども農家の肥料になり
それらを引き取る業者もいた


すなわち江戸の町は清潔できれいだった
家は立派でなくても環境は良かった


庶民が明るく過ごせたのもそういう
影響があったのかもしれない


日本人がキレイ好きなのはこの頃から始まったのかもしれない